平成29年 第4回 定例会 一般質問 ①

平成29年第4回定例会 中野区議会本会議 一般質問


質問項目 


1 子どもの安全対策について  
(1)子どもを犯罪から守る対策について  
(2)IoTを活用した児童・生徒の安全対策について  
(3)その他 
2 特殊詐欺対策について 
3 教育施策について  
(1)プログラミング教育について  
(2)英語教育について  
(3)その他 
4 土地・家屋の相続について 
5 (仮称)弥生町六丁目公園について 
6 その他


平成29年第4回定例会において、公明党議員団の立場から一般質問を行います。
質問は通告のとおりで、その他の質問はありません。


 初めに、子どもの安全対策について。


1番目として、子どもを犯罪から守る対策について伺います。
 神奈川県座間市で先月発覚した連続殺人事件は、警察の捜査では、未成年者4人を含む男女9人がSNSをきっかけとする接触から殺害されたとされる衝撃的な事件となりました。
犯行にSNSが活用され、短期間のうちに9名もの若い男女が犠牲となったことは、これまでの犯罪史上類を見ないものであり、残忍で卑劣な犯行に怒りを覚えます。
犠牲となられた方々には高校生になったばかりの15歳の少女も含まれており、区内の子どもたちを絶対に同じような被害に遭わせないために、先日21日に、公明党議員団として、SNSを利用した犯罪から児童・生徒を守るための対策についての要望書を区長、教育長に提出したところです。
この項では、提出した要望の内容も含め、質問いたします。
 凶悪な犯罪から未成年を守るため、SNS利用におけるルール徹底や再確認は急務です。
小中高生のSNSの利用については、昨年、東京都がSNS東京ルールを策定し、中野区においても、SNS東京ルールをもとに、各学校、家庭においてルール策定の取り組みが始まりました。
このルール策定の目的には、「学校や家庭においてルールについて話し合う過程が大切」とあり、使用する子どもたち自身がルールづくりの主体者となりながら、どうすれば被害に遭わないようにしていくか確認することが大事だということです。
生徒が実際にSNSを使う場は学校外であるため、特に各家庭においてのルールづくり、確認は非常に重要であると私は思います。
しかしながら、家庭においてのルール確認は「啓発」となっており、全家庭での実施には至っていないように思えます。
 そこで伺います。
 SNS家庭ルールの家庭での取り組み状況について、小学校、中学校、それぞれ実施の割合は把握されていますでしょうか。
伺います。
 また、全家庭で実施されるよう方策を講じるべきと考えますが、いかがでしょうか。
何います。
 各学校で児童・生徒同士が話し合ってつくられる学校ルールは毎年更新が行われますが、次の更新の際に、今回の事件を踏まえた対策についても考慮されるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。
伺います。
 定めたルールを児童・生徒が守っているかどうか確認する方法はあるのでしょうか。
自分たちで定めたルールについて、積極的に取り組むための方策が必要ではないでしょうか。
伺います。
 また、これらSNS利用ルールの徹底とともに、児童・生徒の悩みをどこで受けとめていくのかということについても改めて考える必要があるのではないかと思います。
 昨年度の東京都における不登校児童・生徒数は過去最高となりました。
中野区の小・中学校において、昨年度、スクールソーシャルワーカーに寄せられた不登校の相談件数は84件、いじめの相談件数はゼロ件、スクールカウンセラーに寄せられた不登校の相談件数は延べ948件、いじめは延べ40件ということでした。
それに対し、実際に把握された不登校件数は146件、いじめは86件とのことでした。
特にいじめについては、相談件数より発生件数のほうが多く、生徒が相談できないまま悩みを抱えているような状況も見られます。
 長野県教育委員会では、ことし9月より、SNSのLINEによる相談事業を開始しました。
開始前は、深刻ないじめによる相談が多いだろうと想定していたとのことですが、ふたをあけてみると、いじめの相談のほかにも、恋愛や勉強の話、友達が少ないといった内容も多く寄せられ、2週間で約3,500件のアクセスがあったとのことです。
 我が区においても、こうしたSNSを使った相談事業を民間活用も視野に入れて実施すべきと考えます。
学校下校時から一定の時間や休日のみなど、まずは一定の相談受け付け時間を定めて実施してはいかがでしょうか。
伺います。
 情報技術が急速に進む現代において、子どもたちのコミュニティも変わっています。
状況に合わせたより適切な支援策を講じていただくことをお願いします。


 次に、IoTを活用した子どもの安全対策について伺います。


 子どもたちの安全対策として、これまで区は、通学路への防犯カメラの設置や、学校、PTA、シルバー等による通学時、帰宅時の児童見守り、通学路の合同点検等を行ってきました。
こうした取り組みを継続していくことは非常に重要であると思います。
 一方で、ことし9月に公表された警視庁子ども・女性の安全対策に関する有識者研究会の提言書では、都内の小学生以下の子どもが犯罪被害に遭ったうち約3割が学校からの帰宅後に起きているということがわかりました。
 小学生の放課後の過ごし方には、帰宅後に友達と外で遊ぶ子や、学童クラブを利用する子、塾に通う子など、家庭によりさまざまな過ごし方があります。
また、中学生になると、部活動が始まり、遅くまで部活動を行う場合や、友人関係や時間の使い方の幅も広がっていきます。
また、学校には携帯電話を持ち込めないため、特に部活で遅くなる中学生を心配する保護者の声なども聞きます。
 こうした子どもの安全を守る対策として、複数の自治体でIoTを活用した見守りサービスを行っているところがふえています。
例えば、渋谷区と府中市では、東京電力が主体となり、IoT見守りサービスを展開し、静岡県浜松市では、中部テレコミュニケーション株式会社が主体となり、見守りサービスの実証実験を開始しました。
兵庫県伊丹市では、阪神電鉄と見守りの協働事業を行っています。
 また、「Kinsei」というビーコンを使った見守りサービスでは、対象の子どもが小型のビーコン内蔵端末を携帯し、サポーターとなる保護者や地域の方が専用アプリをインストールしたスマートフォンを持っていると、近くにいる端末を持つ子どもの位置情報が保護者に通知されます。
このサービスは、中継レシーバーなどのインフラ整備を行わなくとも、端末とアプリを入れたスマートフォンのみで見守りサービスが利用できるという利点もあります。
 この事例は他の議員も今定例会の一般質問で触れられており、また、平成27年第4回定例会で、我が会派の平山議員が高齢者の徘回の見守りについて、ビーコンとスマートフォンのアプリを連動させた追跡サービスの活用を提案いたしましたが、同様のサービスになります。
 紹介したKinseiだけでなく、ほかにも同じようなサービスが存在しますが、このビーコンとアプリの組み合わせによるサービスを区として導入してはいかがでしょうか。
私の地域では、学校再編による学校統合により通う距離が延伸したことで、家から学校まで40分以上かかるなど、保護者から心配する声も聞きます。
 そこで伺います。
 区として同様のサービスを導入し、利用する保護者に対して助成制度を創設してはいかがでしょうか。
特にみなみの小学校や南台小学校のように、学校再編により通学距離が伸びた、あるいは伸びる学校の児童・生徒に対しては必要なサービスと考えます。
いかがでしょうか。
伺います。
 このサービスでは、保護者や学校の先生だけではなく、地域の方をはじめとする個人のスマートフォンにアプリを入れるという行為自体がそのまま子どもを見守ることに参加することとなり、地域で子どもたちの見守りをしていく意識を高められるということが大きなポイントです。
導入を機に、まち全体が子どもたちを見守る取り組みを行ってはいかがでしょうか。
町会、商店街、PTA、地域内の企業等に広くアプリの導入を求めることで、地域の子ども見守りに対する意識がさらに向上すると考えます。
いかがでしょうか。
伺います。
 この取り組みにより、中野区を子ども見守りの先進的な取り組みを行う区として、地域にも独自のポスターやステッカー等の配布などで積極的に広報を行うことで、犯罪の抑止力にもつながると考えますが、いかがでしょうか。
伺います。
 区では、子ども110番の家にステッカーを張っていただくなど、既に取り組んでいる防犯対策がありますが、これらとあわせてさらに安全なまちづくりの推進をお願いし、この項の質問を終わります。


 次に、特殊詐欺対策について伺います。


 昨年の東京都における振り込め詐欺や架空請求詐欺など、いわゆる特殊詐欺の被害件数は2,032件で、被害総額は約61億6,000万円でした。
ことしは既に10月末の時点で、被害件数は2,770件、被害総額は約61億9,000万円と、前年比で、被害件数は1,214件多く、被害総額も約14億円多い状況となっています。
中野区においても、ことし10月末時点において、被害総額は前年比で減少したものの、被害件数は64件と前年比で18件多い件数となっています。
 年々増加する特殊詐欺被害への対策として、区は今年度、自動通話録音機を100台購入し、区民への貸与を行いました。
自動通話録音機を設置された方々については現在まで被害がないと聞いていますが、区は同事業をどのように評価しているでしょうか。
伺います。
 私が調べたところ、区独自で自動通話録音機貸出事業を実施している区は、23区中、当区も含め16区であり、その中で65歳以上の人口に比した貸出台数は、下から3番目の14位となっています。
貸出台数をふやすべきです。
上位の区と同程度の比率とすべきと考えますが、いかがでしょうか。
伺います。
 警視庁では、以前より特殊詐欺対策として留守番電話機能の活用を推奨してきました。
これは、常に留守番電話にしておき、相手を確認してから通話を行うというものです。
留守番電話機能の活用については、平成25年第3回定例会において、我が会派の小林ぜんいち議員の質問に対して、区は、留守番電話機能を利用してかけ直しをする対策なども有効な防止手段と認識しており、広報に努めるとの答弁でした。
留守番電話機能の活用について、区はどのような取り組みを行ってきたのでしょうか。
伺います。
 警視庁が推奨している留守番電話機能の活用による特殊詐欺対策を区としても推進していくべきではないでしょうか。
伺って、この項の質問を終わります。