子どもの安全対策について

子どもを犯罪から守る対策について

神奈川県座間市で先月発覚した連続殺人事件は、警察の捜査では、未成年者4人を含む男女9人がSNSをきっかけとする接触から殺害されたとされる衝撃的な事件となりました。


犯行にSNSが活用され、短期間のうちに9名もの若い男女が犠牲となったことは、これまでの犯罪史上類を見ないものであり、残忍で卑劣な犯行に怒りを覚えます。


犠牲となられた方々には高校生になったばかりの15歳の少女も含まれており、区内の子どもたちを絶対に同じような被害に遭わせないために、先日21日に、公明党議員団として、SNSを利用した犯罪から児童・生徒を守るための対策についての要望書を区長、教育長に提出したところです。


この項では、提出した要望の内容も含め、質問いたします。
 凶悪な犯罪から未成年を守るため、SNS利用におけるルール徹底や再確認は急務です。


小中高生のSNSの利用については、昨年、東京都がSNS東京ルールを策定し、中野区においても、SNS東京ルールをもとに、各学校、家庭においてルール策定の取り組みが始まりました。


このルール策定の目的には、「学校や家庭においてルールについて話し合う過程が大切」とあり、使用する子どもたち自身がルールづくりの主体者となりながら、どうすれば被害に遭わないようにしていくか確認することが大事だということです。


生徒が実際にSNSを使う場は学校外であるため、特に各家庭においてのルールづくり、確認は非常に重要であると私は思います。


しかしながら、家庭においてのルール確認は「啓発」となっており、全家庭での実施には至っていないように思えます。

SNS家庭ルールの家庭での取り組み状況について、小学校、中学校、それぞれ実施の割合は把握されていますでしょうか。


 また、全家庭で実施されるよう方策を講じるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 各学校で児童・生徒同士が話し合ってつくられる学校ルールは毎年更新が行われますが、次の更新の際に、今回の事件を踏まえた対策についても考慮されるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 定めたルールを児童・生徒が守っているかどうか確認する方法はあるのでしょうか。


自分たちで定めたルールについて、積極的に取り組むための方策が必要ではないでしょうか。

 また、これらSNS利用ルールの徹底とともに、児童・生徒の悩みをどこで受けとめていくのかということについても改めて考える必要があるのではないかと思います。


 昨年度の東京都における不登校児童・生徒数は過去最高となりました。


中野区の小・中学校において、昨年度、スクールソーシャルワーカーに寄せられた不登校の相談件数は84件、いじめの相談件数はゼロ件、スクールカウンセラーに寄せられた不登校の相談件数は延べ948件、いじめは延べ40件ということでした。


それに対し、実際に把握された不登校件数は146件、いじめは86件とのことでした。


特にいじめについては、相談件数より発生件数のほうが多く、生徒が相談できないまま悩みを抱えているような状況も見られます。


 長野県教育委員会では、ことし9月より、SNSのLINEによる相談事業を開始しました。


開始前は、深刻ないじめによる相談が多いだろうと想定していたとのことですが、ふたをあけてみると、いじめの相談のほかにも、恋愛や勉強の話、友達が少ないといった内容も多く寄せられ、2週間で約3,500件のアクセスがあったとのことです。


 我が区においても、こうしたSNSを使った相談事業を民間活用も視野に入れて実施すべきと考えます。


学校下校時から一定の時間や休日のみなど、まずは一定の相談受け付け時間を定めて実施してはいかがでしょうか。

 情報技術が急速に進む現代において、子どもたちのコミュニティも変わっています。


状況に合わせたより適切な支援策を講じていただくことをお願いします。

 

IoTを活用した子どもの安全対策について

子どもたちの安全対策として、これまで区は、通学路への防犯カメラの設置や、学校、PTA、シルバー等による通学時、帰宅時の児童見守り、通学路の合同点検等を行ってきました。


こうした取り組みを継続していくことは非常に重要であると思います。


 一方で、ことし9月に公表された警視庁子ども・女性の安全対策に関する有識者研究会の提言書では、都内の小学生以下の子どもが犯罪被害に遭ったうち約3割が学校からの帰宅後に起きているということがわかりました。


 小学生の放課後の過ごし方には、帰宅後に友達と外で遊ぶ子や、学童クラブを利用する子、塾に通う子など、家庭によりさまざまな過ごし方があります。


また、中学生になると、部活動が始まり、遅くまで部活動を行う場合や、友人関係や時間の使い方の幅も広がっていきます。


また、学校には携帯電話を持ち込めないため、特に部活で遅くなる中学生を心配する保護者の声なども聞きます。


 こうした子どもの安全を守る対策として、複数の自治体でIoTを活用した見守りサービスを行っているところがふえています。


例えば、渋谷区と府中市では、東京電力が主体となり、IoT見守りサービスを展開し、静岡県浜松市では、中部テレコミュニケーション株式会社が主体となり、見守りサービスの実証実験を開始しました。


兵庫県伊丹市では、阪神電鉄と見守りの協働事業を行っています。


 また、「Kinsei」というビーコンを使った見守りサービスでは、対象の子どもが小型のビーコン内蔵端末を携帯し、サポーターとなる保護者や地域の方が専用アプリをインストールしたスマートフォンを持っていると、近くにいる端末を持つ子どもの位置情報が保護者に通知されます。


このサービスは、中継レシーバーなどのインフラ整備を行わなくとも、端末とアプリを入れたスマートフォンのみで見守りサービスが利用できるという利点もあります。


 この事例は他の議員も今定例会の一般質問で触れられており、また、平成27年第4回定例会で、我が会派の平山議員が高齢者の徘回の見守りについて、ビーコンとスマートフォンのアプリを連動させた追跡サービスの活用を提案いたしましたが、同様のサービスになります。


 紹介したKinseiだけでなく、ほかにも同じようなサービスが存在しますが、このビーコンとアプリの組み合わせによるサービスを区として導入してはいかがでしょうか。


私の地域では、学校再編による学校統合により通う距離が延伸したことで、家から学校まで40分以上かかるなど、保護者から心配する声も聞きます。


 区として同様のサービスを導入し、利用する保護者に対して助成制度を創設してはいかがでしょうか。


特にみなみの小学校や南台小学校のように、学校再編により通学距離が伸びた、あるいは伸びる学校の児童・生徒に対しては必要なサービスと考えます。


 このサービスでは、保護者や学校の先生だけではなく、地域の方をはじめとする個人のスマートフォンにアプリを入れるという行為自体がそのまま子どもを見守ることに参加することとなり、地域で子どもたちの見守りをしていく意識を高められるということが大きなポイントです。


導入を機に、まち全体が子どもたちを見守る取り組みを行ってはいかがでしょうか。


町会、商店街、PTA、地域内の企業等に広くアプリの導入を求めることで、地域の子ども見守りに対する意識がさらに向上すると考えます。

 この取り組みにより、中野区を子ども見守りの先進的な取り組みを行う区として、地域にも独自のポスターやステッカー等の配布などで積極的に広報を行うことで、犯罪の抑止力にもつながると考えますが、いかがでしょうか。


 区では、子ども110番の家にステッカーを張っていただくなど、既に取り組んでいる防犯対策がありますが、これらとあわせてさらに安全なまちづくりの推進をお願いし、この項の質問を終わります。

 

質問の回答

子どもの安全対策について

田辺裕子  教育長

初めに、SNS家庭ルールの家庭での取り組み状況についてお答えをいたします。


昨年度、教育委員会が実施した児童・生徒の携帯電話等の利用に関する調査においては、家庭におけるルールについて、「ある」と回答した割合は、小学校児童68%、中学校生徒59%でございました。


今年度におきましても同様の調査を実施しているところでございます。


 続きまして、SNS家庭ルールの全家庭での実施方策についてです。
全家庭で実施されるよう各学校で啓発をしているところでございますが、今後も学校の実態に合わせて、学校便りや保護者会等での周知、セーフティ教室での啓発など方策を講じてまいります。


 続きまして、座間の事件を踏まえたSNS学校ルールでの対策についてです。
既に今回のような事件に巻き込まれないようにするための学校ルールを作成している学校もございますが、改めて今回の事件を踏まえた対応についても考慮するよう各学校に指導してまいります。


 定めたルールを児童・生徒たちが守っているかどうかを確認する方法などです。
毎年11月に小学校4年生から6年生及び中学生全員にアンケートを行い、定めたルールを児童・生徒が守っているかどうかを確認してございます。


各学校において、自分たちで定めたルールについて、児童会や生徒会が中心となって、守っていこうと啓発をしております。


また、保護者、地域に対しましても、学校便りやセーフティ教室等で話題にし、意見交換するなど協力を依頼しているところでございます。


 続きまして、SNSを使った相談事業についてです。
SNSを使った相談事業につきましては、他区や東京都教育委員会の動向を踏まえ、今後検討してまいります。


 IoTを活用した児童・生徒の安全対策について、幾つか御質問をいただきました。


子どもの見守りサービスにおいてビーコン機能などのIoT技術をどのように活用するかにつきましては、今後検討すべきものと考えておりまして、助成制度などにつきましても、その中で検討していくこととしたいと考えています。