平成29年 第1回 定例会 一般質問 ①

平成29年第1回定例会 中野区議会本会議 一般質問

質問項目 

1 弥生町六丁目公園整備と公園マネジメントについて

2 地域開放型学校図書館のあり方について

3 統合新校の学童クラブについて 

4 災害時支援の取組みについて 

5 情報セキュリティ対策の強化について 

6 その他

平成29年第1回定例会において、公明党議員団の立場から一般質問を行います
質問は通告のとおりで、6のその他はありません。


 初めに、弥生町六丁目公園整備と公園マネジメントについて伺います。


 区は、平成21年に「今後の大規模公園整備の基本的考え方」を策定しました。
この策定の目的は、今後整備される大規模公園がそれぞれの公園整備の基本コンセプト及び主として担う機能の分担について基本的考え方を定めたものです。
基本的な考え方の対象公園は、当時整備を計画していた面積おおむね0.5ヘクタール以上の6カ所の大規模公園で、そのうち中野四季の森公園、白鷺せせらぎ公園、南台いちょう公園、本五ふれあい公園の4園が現在までに整備が完了し、多くの住民に親しまれています。
また、平成26年度には新たに(仮称)弥生町六丁目公園整備の基本的考え方が示され、現在実施設計が間もなく終わり、平成30年度開園に向けた工事が来年度から始まっていきます。
区内にこれだけの大規模公園が同時期に整備されていくことは画期的なことであり、区内全体の公園や運動施設、緑や防災機能等の状況を分析した上での基本的な考え方に基づく公園整備は多くの区民から評価されるものとなっています。
次なる課題は、これらの公園施設が当初の目的どおりに区民の活用に供されているかどうかを把握した上で、公園機能をより価値的に活用していくことです。
 都は、平成16年に、東京が目指す公園づくりの基本理念と目標を達成するため、従来の行政指導の事業手法から転換し、都民・NPO・企業と連携しながら都民の視点に立って整備・管理していくためのパークマネジメントマスタープランを策定し、平成27年には大幅な改定を行いました。
また、国土交通省は、平成29年度から、民間事業者が都市公園の収益施設と公共部分とを一体で整備できる「Park-PFI」制度を創設し、都市公園に設けるカフェなど収益施設の設置許可期間を緩和するなど、民間事業者が都市公園を整備しやすくする方針を打ち出しています。
区も、区内の公園の資産価値を区民にとってより価値的なものとしていくため、公園マネジメントを行うべきと考えます。
既に四季の森公園拡張用地や(仮称)弥生町六丁目公園では民間活力の活用を検討しているようですが、区内のそれぞれの公園がそれぞれの価値を有しています。
四季の森公園拡張用地のように立地条件にすぐれた公園もあれば、単独で見ると区が直接管理する経費と民間委託した場合の経費が事業採算の観点から折り合いがつきにくい公園もあります。
大事なことは、費用面のみならず、区民にどれだけ公園を楽しんで有効活用してもらえるかであり、コストとのバランスは全体の中で判断していくべきと考えます。
 そこでまず、面積おおむね0.5ヘクタール以上の大規模公園を対象とし、民間の活力を生かした中野区版「パークマネジメントマスタープラン」を策定してはいかがでしょうか。
伺います。
 公園の活用について、特に子どもの観点から見ると、いわゆる遊び方についての知識が不足し、せっかくの公園施設の環境を十分に生かし切れていない現状があります。
 先日、練馬区立こどもの森を視察してきました。
ここは、区が土地を提供し、民間事業者とNPOで共同運営している区立公園で、多くのマスコミにも取り上げられています。
ここでは、子どもたちが決められた遊具等で遊ぶのではなく、自然や土や木登りなど自分たちで自由に遊ぶことができ、プレーリーダーと呼ばれる大人が子どもたちに遊び方を教え、見守る役割を果たしていました。
公園などでの子どもの外遊びは小さい頃からの体力向上や五感の育成、バランス感覚を養うためにも非常に重要であり、何より子ども時代にしかできない脳の発達につながります。
私は、区内にある貴重な公園資産が子どもたちの成長に存分に生かされるべきであると考えます。
そのためには、区内の公園の中で子どもたちが生き生きと遊べるように、プレーリーダーのような役割を配置した公園が必要と考えます。
中野区版「パークマネジメントマスタープラン」にはプレーリーダー等、公園の価値を更に高めるような手法についても定めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
伺います。


 地元の(仮称)弥生町六丁目公園について伺います。


 基本設計の内容を見る限り、民間活力の活用を検討していると思われますが、どのような活用方法を検討されているのでしょうか。
近隣を中心とした多様な層の区民に親しまれることはもちろんですが、中でも子どもの視点を強く意識した活用であるべきと考えます。
 そこで、区内にはまだないプレーパークエリアをつくり、プレーリーダー配置第1号の公園としてはいかがでしょうか。
伺います。
 環境対策の面からも伺います。
 平成29年度の東京都の予算案には、都が上限1,000万円で10分の10負担の自立型ソーラースタンド普及促進事業が盛り込まれています。
(仮称)弥生町六丁目公園の整備に当たり、環境対策の面からも、また災害時には広域避難場所となることからも、今回の補助制度を活用して自立型ソーラースタンド設置を行ってはいかがでしょうか。
公園の魅力の一つとなると考えますが、いかがでしょうか。
伺い、この項の質問を終わります。


 次に、地域開放型学校図書館のあり方について伺います。


 地域開放型学校図書館の考え方については、平成21年「図書館の新しいあり方」の中で示され、その後、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)に反映されました。
今回、子ども読書活動推進計画(第3次)素案や統合新校の整備基本構想・基本計画(案)の中でもその用途について具体的に示されています。
全国でも開放型の学校図書館を導入している学校は複数あり、その方針も様々あります。
例えば、札幌市の学校図書館地域開放事業では子ども及び地域の読書活動を盛んにすることとあり、読書を通じて子どもと大人、大人相互の交流を広げる場と位置付けられています。
また、川崎市の場合は、地域における身近な読書の場としての図書室を地域住民に広く開放するとしています。
文部科学省からは、学校図書館を活用した子どもの居場所づくりとして、放課後児童クラブが併設された小学校等において地域の子ども向けの図書館開放を進めるという例も出されています。
今回、区が示した子ども読書活動推進計画(第3次)素案には、地域開放型学校図書館の整備として、地域開放型学校図書館は、未就学の子どもたちが図書館に親しむ機会を増やし、地域の子ども読書活動の推進拠点としますとあります。
一方で、基本的には地域の全ての方が利用できる開放図書館ということも伺っております。
 そこで、中野区の地域開放型学校図書館の位置付けについて改めて確認いたします。
地域開放型学校図書館が担う役割と施設の利用対象について伺います。
 また、子ども読書活動推進計画(第3次)素案の地域開放型学校図書館の整備の中には、地域開放型学校図書館では図書館司書など専門知識を有する者を配置し、学習環境の向上を図りますとあります。
中野区はこれまで先進的に学校図書館への図書館指導員を取り入れた経緯があります。
区は、平成7年から全ての小・中学校に学校図書館指導員を配置し、児童・生徒に読書の相談やアドバイス、図書に親しみやすい環境づくり、また調べ学習のサポートなど、児童・生徒の読書推進に大きく貢献してこられています。
今後、地域開放型学校図書館を整備していくに当たり、現在の図書館指導員を含め、区は図書館司書の配置についてどのようにお考えでしょうか。
伺います。
 改築される校舎の基本配置案を見ると、開放側図書館の広さは学校側図書館の半分以下のスペースとなっており、この場合、開放側図書館に配置できる蔵書数は約5,000冊程度になると伺いました。
中央図書館を除いた地域図書館の蔵書数と比較すると10分の1以下となり、学校側図書館の蔵書数と比較しても半分以下となってしまうものと思われます。
本の種類はNDC図書分類番号で決められており、本の種類は全部で1,000種類に分けられています。
このような状況で地域開放型学校図書館に幅広い種類の本を配置するとなれば、1分類につき5冊程度の本しか配置することができなくなります。
子ども読書活動推進計画(第3次)素案に示されているような地域の子どもの読書活動推進拠点とするのであれば、学校側図書館は児童向けの蔵書となっているので、開放側図書館の蔵書は未就学児向けの本を中心としてはいかがでしょうか。
伺います。
 全国の市区町村では、子どもの読書推進の一環として英語をはじめとしたロシア語、中国語、ハングルなど様々な言語での読み聞かせを行っているところがあります。
幼児期からの語学に取り組ませることを希望する家庭は多いと聞きます。
また、人は聞くことから言葉を覚えていきますが、乳幼児期から外国語による物語を耳を使って理解する読み聞かせはとても意味があることだと思います。
 そこで、地域開放スペースに新設する幼児コーナーでは、読書推進の新たな取り組みとしてALTやボランティアの方による外国語の読み聞かせを行うようにしてはいかがでしょうか。
伺います。
 地域開放型学校図書館は、学校の休業日に学校側図書館と開放側図書館をつなげて開放するという計画にもなっています。
学校側図書館の本は閲覧のみで貸し出しは禁止にする方向であることから、学校側図書館のスペースをどのように有効に使うか検討する必要があると思います。
例えば、学校休業日には地域開放型学校図書館において児童が自習しやすい環境にして学習室として開放するなど、有効に活用してはいかがでしょうか。
伺い、この項の質問を終わります。