胃がん検診について
がんを部位別に見た場合、最も罹患者が多いがんは胃がんです。
これまで中野区は、胃がんの早期発見・早期治療へと結びつけるため、バリウムによる胃部X線検査を行ってきました。
平成25年度からは、胃部X線検査に加え、胃がん予防の観点とリスク評価の観点から、他の自治体に先駆け、新しい検査方法として血液検査による胃がんハイリスク診査を導入してきました。
胃がんハイリスク診査とは、ピロリ菌感染の有無と胃粘膜萎縮の程度を測定することで、胃がんの発生リスクをAからDの4群に分類し、そのリスクに応じて検査等を行うことで、より効果的に胃がんの予防や早期発見を図ることができるものです。
また、ハイリスク診査により胃がピロリ菌に感染しているとわかった場合、ピロリ菌を除去することにより、将来胃がんになる確率をはるかに下げることができます。
このピロリ菌の除去治療は、もともと保険適用対象外でしたが、国において我が党として保険適用を進めてきたものです。
そして、保険適用となったことを踏まえ、我が会派として区における胃がん検診にハイリスク診査を導入すべきと強く求めてきた経緯があります。
初めに、区における胃がんハイリスク診査の導入から本年で4年目となりますが、導入の成果が上がっていると聞きます。
これまでの実施結果や導入の成果、そして、区としての胃がんハイリスク診査の評価を改めてお伺いいたします。
区は、この胃がんハイリスク診査の受診対象者を、40歳以上75歳までの5歳刻みの年齢としてきましたが、来年、29年度で導入から5年の一区切りの期間を迎えることとなります。
そこで、平成30年度からは、胃がんハイリスク診査の対象者を40歳から75歳までの5歳刻みから、40歳以上の未受診者全員を受診対象者として設定を改めるべきと考えますが、いかがでしょうか?
また、胃がん予防の観点をさらに重視して、そもそも40歳からの対象年齢の引き下げもあわせて検討すべきと考えますが、いかがでしょうか?
昨年、厚生労働省のがん検診のあり方に関する検討委員会において、市区町村が行う胃がん検診について、これまで40歳以上で推奨としてきた胃部X線検査のほかに、内視鏡検査も推奨するとの提言が取りまとめられました。
このガイドラインにより、多くの基礎自治体で胃がん検診に内視鏡検査を導入することについての検討が始まっている状況であり、既に導入を決定した自治体もあります。
区は、他の自治体に先駆け、これまで述べたように、胃がん予防の観点から胃がんハイリスク診査を導入してきた経緯があります。
胃がん検診に対処療法としての拡充策として、内視鏡検査を導入すべきと考えますが、いかがでしょうか?
また、ハイリスク検査の診断結果によっては、内視鏡検査も保険適用となる場合があります。
保険適用のある検査との新しい仕組みの検討も必要となってくると考えます。
具体的には、検診・検査費用の自己負担額の設定を考慮すべきと考えますが、区はどのようにお考えでしょうか?
胃がん検診において、胃部X線検査と胃がんハイリスク診査、そして、内視鏡検査の三つの検診・検査制度のあり方を検討し、区として平成30年度を新しい胃がん検診のスタートの年とすべく、検討を進めるべきと訴えて、この項の質問を終わります。
質問の回答
田中大輔区長
健康施策について
胃がんハイリスク診査の実施結果、導入成果、評価についてであります。
胃がんハイリスク診査は、毎年度約3万人を対象に受診券を送付し、平成25年度は6,580人、平成26年度は6,696人が受診され、胃がんの方が25年度は10人、26年度は15人発見されており、効果的に実施できていると考えております。
胃がんハイリスク診査は、予防という観点から、より若い年齢層からの対応が重要であると考えております。
今後、40歳から75歳の未受診者を対象とすることや、対象年齢引き下げについても検討してまいります。
胃がん検診としての内視鏡検査につきましては、制度管理体制や区内の受け入れ可能数等、調査をしているところであります。
区といたしましては、胃がんハイリスク診査、内視鏡検査、胃部X線検査を総合的に検討し、自己負担額の設定を含め、効果的な胃がん対策が実施できる体制を構築するよう、さらに検討してまいります。