災害時のペット対策について
環境省から提出された災害時におけるペットの救護対策ガイドラインの中では、同行避難について被災者である飼い主の避難を支援し、放浪動物による人への危害防止や生活環境保全の観点からも重要な課題であるとしています。
しかしながら、ことし4月に発生した熊本地震においては、原則として同行避難が認められているものの、避難所がいっぱいで受け入れられなかったというケースや、避難所へ同行避難するのをためらい、車中泊をしたり、倒壊の危険がある家にそのまま残るといったケースが見られました。
一般社団法人ペットフード協会の調査では、全国で飼育されている犬と猫は、合わせておよそ2,000万頭と推測されています。
ペットを飼っている人の中には、ペットも家族の一員という考えも一般的になってきており、避難所でペットによる混乱が起きないようにするためにも、同行避難について明確な取り決めをしておく必要があると考えます。
地域防災計画によると、設置される災害対策本部には、区内の同行避難、公衆衛生のための放浪動物の対応を担当する部署が明らかにされていません。
担当の部署や、人命救助と優先順位をつけるためのスケジュールなど、区全体のペット対策を策定すべきではないでしょうか?
また、災害時のスムーズな避難所運営を行うため、同行避難、ペット受け入れの手引きを作成するべきと考えますが、いかがでしょうか?
愛犬手帳、愛猫手帳に災害発生時の安全確保について記載がなされましたが、他の動物も含め、災害への備えと発災した際の行動について具体的な内容を示したものを作成し、ペットの飼い主に周知・啓発すべきと考えます。
飼い主が掌握しにくい状況なので、区のホームページからダウンロードできるようにするなど、広く簡単に入手できる方法で周知を図ってはいかがでしょうか?
地域防災計画には、水害時の同行避難についての記述がなく、現状、水害時の一時避難場所である区民活動センター等では、ペットの受け入れが想定されていません。
水害時の避難所においても同行避難についての対策を検討するべきではないでしょうか?
避難所設備について
区では、災害時において避難所に避難した被災者で、避難所生活を続けることが困難となった高齢者、障害者、被災孤児、児童、乳幼児親子等について、避難所で十分な救援・救護活動が実施できないと認めた場合に、区長の判断により二次避難所を開設するとなっています。
つまり、介助が必要な方が被災した場合も、まずは地域で指定された避難所へ避難することになります。
しかし、現在全ての一時避難所において、介助が必要な方が使用できる多目的トイレ等の設備が整っているわけではありません。
一時避難所として指定されている小・中学校のうち、これから学校再編で改築する校舎については、多目的トイレの整備や災害用備蓄倉庫など、避難所を想定した施設整備についてもしっかり考慮する必要があると考えますが、いかがでしょうか?
質問の回答
尾﨑孝都市基盤部長
ペット対策について
まず、災害時のペット対策の策定についての御質問でございます。
災害時のペット対策につきましては、都が被災した動物の保護、区が同行避難動物の飼育場所等の確保という役割分担で行うことになっております。
災害時のペットの同行避難につきましては、地域防災計画において避難所運営における対応事業として記載しており、災害時には災対地域部の所管となります。
また、防疫・保健衛生につきましては、災対保健衛生部生活衛生班の所管となっているところでございます。
災害時のペット対策の実施スケジュールにつきましては、今後研究してみたいと考えております。
次に、避難所でのペット受け入れ手引きの作成についての御質問でございます。
避難所運営においてペットの飼育場所は確保しておりますが、ペットフードやケージなどの推進につきましては、飼い主が用意し飼育することとしております。
ペットの受け入れに関する手引きの作成につきましては、早急に整備するよう検討してまいりたいと考えております。
次に、ペットの災害対策に関する資料の作成と周知についてです。
区は、愛犬手帳や愛猫手帳などだけでなく、区報でのペットの災害対策に関する広報をするとともに、総合防災訓練でペットの同行避難を実施するなど、ペットの災害対策について飼い主に周知・啓発を行っているところです。
また、犬や猫以外にもさまざまな動物がペットとして飼育されているため、他の動物について災害時にどのような対応を行うべきか取りまとめた上で、飼い主に周知・啓発する体制を整えていく必要があると考えております。
最後に、水害時のペット同行避難についての御質問でございます。
水害時における避難者対応は、震災対策計画の規定を準用することとしているため、ペットの対策も震災対策と同様に行うことを想定しております。
しかし、水害時の避難所では屋外にペットを保管することが難しいことから、震災時とは異なる対応が必要となるため、水害時のペット同行避難について検討してまいりたいと考えております。
避難所について
田辺裕子教育長
学校再編に伴う校舎の改築に際しましては、避難所の開設を想定して施設の整備を行っているところでございます。
今後とも適切に対応してまいります。
〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕○地域支えあい推進室長(野村建樹) 私からは、高齢者支援についての3点の御質問にお答えいたします。
まず、健康サポート薬局、薬剤師との連携強化ということでございました。
国が進めている健康サポート薬局は、服薬情報の一元管理などの、いわゆるかかりつけ薬局の機能に加えまして、医療・介護の専門職との連携体制を構築し、健康づくりから予防、介護まで、地域を視野に入れた取り組みを行う薬局と認識してございます。
地域包括ケアを推進するための健康サポート薬局の位置付けや薬剤師の役割につきましては、区として十分に検討し、連携を図ってまいりたいと考えてございます。
次に、柔道整復師との連携ということでございました。
柔道整復師につきましては、現在でも介護予防事業での協力を得ているほか、地域包括ケアシステムの仕組みづくりについても、地域包括ケア推進会議委員として御意見を伺っているところでございます。
地域包括ケアシステムの構築に当たりましては、柔道整復師に果たしていただく役割につきまして検討してまいりたいというふうに考えてございます。
最後に、不動産事業者との情報提供、あるいは、認知症サポートということでの連携という御質問でございました。
住まいにつきましては、地域包括ケアシステム構築の一つの柱と考えてございます。
地域包括ケア推進会議にも関係団体として御参加をいただいております。
今後、不動産事業者への福祉サービス関係情報の提供などについても、庁内連携の強化を図ってまいりたいと思います。
また、区内業界関係2団体と連携いたしまして、そこの団体に所属いたします不動産事業者を対象とした、認知症サポーター養成講座の開催を現在予定しているところでございます。