平成28年 第1回 定例会 一般質問 ⓶

○日野委員 区民施設等の五つの事業で4億、6億、1億、1億、13億、合わせて25億というのが財政調整基金の施設改修分から繰り入れるということはわかりました。
区民施設等というカテゴリーの中で、平成26年、27年度は、施設の長寿命化(計画保全)という事業名だったのですが、平成28年度は、施設保全(長期保全計画)という事業名に変わっています。
長期保全計画に基づいて施設保全を行うという意味と思いますが、長期保全計画を策定されているのでしょうか。


○宮崎経営室副参事(施設担当) 長期保全計画を区といたしましては具体的にお示しをしておりません。
しかし、保全のため、区有施設の定期点検、いわゆる法12条点検や、性能点検を実施しております。
その結果と機器の耐用年数を考慮したものに基づいて、緊急性の高い施設から修繕をするために積み上げた結果がこちらの事業費となっております。


○日野委員 建築基準法12条点検や性能点検による結果と、耐用年数を考慮して緊急性の高いものからという答弁でしたけども、それでは、長期保全計画に基づく保全とは言えないと思います。
長期保全計画と示されていることに矛盾を感じます。
施設保全については、5年間で63億円の事業費に対し、59億円を基金からの繰り入れとしています。
しかし、計画が示されなければ、これら施設保全がどのように行われるのか、我々は判断することができません。
これまでの、壊れたら修繕するという発想から、建物のライフサイクルコストを見込んだ計画策定が必要だと思います。
 改めて伺います。
区有施設の長期保全計画を策定すべきではありませんか、伺います。


○宮崎経営室副参事(施設担当) そのことにつきましては、今後、公共施設総合管理計画(建物編)の策定が予定されております。
その計画に基づきまして、長期保全の計画について検討してまいりたいと思います。


○日野委員 公共施設総合管理計画に基づくと答弁されましたが、財政運営の考え方には、長期保全計画という表現は区民施設等にしか示されていません。
策定を検討するとおっしゃった長期保全計画には、福祉施設や学校施設も当然含まれるのでしょうか。


○黒田政策室副参事(予算担当) 学校施設、福祉施設ということでございますが、長期保全計画の中では、全体的にそういった施設も含めて計画がなされるべきというふうに考えております。
ただ、こちらのほうに充てます基金につきましては、それぞれ義務教育施設整備基金、社会福祉施設整備基金、ございますので、そういったところの計画の中でまたお示しをすることになるかというふうに考えております。


○日野委員 施設保全の5年間の計画では、一般財源や特定財源をほぼ活用することなく、基金の活用で賄われるようですが、ここで活用される基金はどの基金になるのでしょうか。


○黒田政策室副参事(予算担当) 施設の大規模改修を実施するに当たり、学校や社会福祉といった明確な区分ができないものにつきましては、特定目的基金を活用するのではなく、施設保全を目的に一定の積み立てをしております財政調整基金の活用を想定したところでございます。


○日野委員 施設の長寿命化のためには、計画とともに新たな基金を設置するなど、保全のための基金残高や繰り入れの見える化を図るべきと考えます。
区は、以前、施設整備や維持補修のための基金を設置していたと聞きますが、基金が設置された目的と廃止年度及び廃止となった経緯を伺います。


○黒田政策室副参事(予算担当) 中野区は、昭和40年に将来の多額な財源が必要となる施設建設等に備え、施設建設基金を設置したところでございます。
その後、平成12年度策定の中野区行財政5カ年計画の中で、今後計画的な財政運営に資するため、各特定目的基金の再構成を行うなど整理をいたしました。
その結果、当該基金は、その計画に基づき、当面大きな施設建設など使途がないものとして、平成13年度に廃止し、全額財政調整基金に積み立てを行ったところでございます。


○日野委員 平成13年度に廃止したということですけども、財政調整基金の施設改修分は、独立した基金として、現行の施設整備基金も含め、施設建設と保全に充てるべき財源を明確に分けるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、例えばエコ改修などを行うと、将来的なライフサイクルコストの軽減にもつながります。
その削減でできた費用は保全のための基金に積み立てるなど、施設整備のための新たな基金のあり方について検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。


○黒田政策室副参事(予算担当) 先ほども御説明いたしましたが、財政調整基金の施設改修分については、学校や社会福祉といった区分が明確でなく、特定目的基金に対応できない区有施設の長期保全などについて、施設改修区分としまして一定の積み立てを行っているものでございます。
新たな基金のあり方ということでしたら、特定目的基金を除きまして、今後区有施設の保全のためには財政調整基金の中で施設改修分を示すことにより、施設保全のための基金残高や繰り入れの見える化を図っていきたいというふうに考えております。


○日野委員 今、財政調整基金については見える化を図ると答えられましたが、その他の施設整備のための特定目的基金についての見える化というのも行うべきではないでしょうか。


○黒田政策室副参事(予算担当) 特定目的基金の、基金の繰り入れや起債積み立てにつきましては、大まかに当初予算の概要の中でお示しはしているところでございますが、不足する点があるというふうにも――十分な表記の仕方とは思っておりませんので、またそういった工夫ができるか、検討してまいりたいと思っております。


○日野委員 ぜひともよろしくお願いします。
施設の長寿命化は、全庁的な取り組みが必要であると思います。
計画策定と実行に当たっては、これまでのように各所管が施設担当に執行委任をするのではなくて、全ての区有施設のマネジメントを行う体制づくりも必要と考えます。
特に、学校や体育館、そして区役所など、ここ数年の間に新たな施設建設が行われる今こそ、取り組まなければならない課題だと思います。
前向きな検討を期待して、この項の質問を終わります。

次に、弥生町のまちづくりについて伺います。


 初めに、私の前任者であるやながわ議員の地盤を引き継いで、昨年初当選しましたので、これまで地元に貢献してきた先輩を見習って頑張りたいという思いから質問させていただきます。


 弥生町三丁目周辺地区防災まちづくり事業は、平成26年度から平成32年度までの7年間、不燃化特区として国及び都からの補助金を受けて行う事業として現在進められております。
東日本大震災以降、災害に強い安心・安全なまちづくりは、誰もが関心のある重要なことであると思います。
そして、私は今回の防災まちづくりを通して、単に防災に強い建物があるとか、避難道路がしっかり整備されているということだけではなく、再びまちを活性化させる、ずっと住み続けたいまちをつくるということも大切だと思います。
この思いから、事業の状況について何点か質問させていただきます。