中野区内に設置されているAEDについて
AED普及率について
自動体外式除細動器、いわゆるAEDの普及率は年々増加し、中野区としても、区民活動センター、すこやか福祉センター、高齢者福祉センター、図書館、小・中学校、幼稚園、保育園等の公共施設への設置を進めてきました。
これ以外にも医療機関や東京都が管轄する消防や警察の施設等にもAEDは設置されています。
AED使用割合について
平成25年の中野区内での救急出動件数を調べてみましたら1万6,953件あり、このうち、心肺停止での救急出動件数は260件ありました。2日に1件以上、心肺停止での救急出動があることになります。
東京消防庁の集計では、急病に対する都民の応急手当でAEDが使用された割合はわずか0.15%にとどまっているのが現状とのことです。
このことから、AEDの設置・普及に対して、実情はまだそれほど効果的に使用されていないように思われます。
心肺停止の場合、1分1秒でも早い蘇生処置を行うことが人命救助の最も重要な対応と考えます。
AEDの周知について
また、中野区や東京都が設置したAEDについては、区民がいざというときに使用できるように環境づくりをしていく必要があると考えます。
しかし、私の住んでいる南台地域では、どこにAEDが設置されているかわかるものがありません。
まず、区民が使用できるAEDがどこに設置されているかを把握し、区民に周知する必要があると考えます。
そこで、中野区が管理するAEDと、警察や消防、医療機関や民間の商業施設等に協力要請を行い、区民が必要とする場合に使用可能なAEDの調査を行ってはいかがでしょうか?
AED管理方法・ルールについて
区では、AEDが区役所、保育園などの子ども施設、小・中学校、すこやか福祉センターや区民活動センター等に設置されていますが、各分野で管理されているため管理方法やルールなども統一されていません。
そこで、AEDの設置場所や管理ルール、区民への周知について一元管理を行ってはいかがでしょうか?
AED使用について
現在、区の公共施設に設置されているAEDは、職員が滞在している業務時間内でなければ基本的に使用することはできません。
現在、中野区で24時間AEDを使用できる施設は、消防署、警察署、病院などごく一部の施設に限られており、また、区内に160近くあるコンビニを調べたところ、AED設置は確認できませんでした。
全国では24時間AEDが利用できる自治体が幾つかあります。
そこでは、24時間営業しているコンビニやファミリーレストラン、ガソリンスタンドなどと自治体が設置の規約について協定書を交わしてAEDを設置しています。
中野区でも、24時間AEDがすぐ利用できる場所の確保を行ってはいかがでしょうか?
区内でAEDが利用できる地域が偏らないよう、コンビニやファミリーレストラン等の24時間業務を行っている施設と中野区が提携して、必要な場所にAEDを設置すべきと考えます。
AED救命講習について
先月、5月19日には、上高田区民活動センター前で倒れていた男性を救命措置を行い救ったことで、4名の方が東京消防庁から感謝状を受けました。
4人で手分けして119番通報し、AEDを取りに行き、AEDを使用した救命措置を行ったところ、男性は呼吸を再開し、命を取りとめました。
この4名の方は、救命講習を受講していたので手順が頭に入っていたとのことでした。
4人の方の迅速な行動と機転、そして日ごろの講習による成果があらわれたすばらしい救命活動であったと称賛いたします。
心肺停止となった人の救助を行う場合、少しでも早い段階で応急手当てをすることが命を左右する大きな要因となります。
AEDの普及とともに欠かせないものが、救助する側がAEDを使うための救命講習であると思います。
東京都としては、各消防署にて都民向けの救命講習を行っています。
中野区でも中野消防署と野方消防署において定期的に区民が受講できる救命講習が行われておりますが、より身近な場所で講習の機会を設けてはいかがでしょうか?
例えば、すこやか福祉センターや区民活動センターなどでのAEDを使用した救命講習を行うよう検討してはいかがでしょうか?
区民が緊急時に誰でもAEDを使用できるような環境づくりを行うことと、自治体と区民の努力により1人でも多くの人命救助が行われていくことを願い、この項の質問を終わります。
質問の回答
田中大輔区長
区内でどのような場所にAEDが設置をされているのか、そうしたことについて調査をしてみたらどうかということであります。必要な調査だと思います。今後、調査をしてまいります。
それから、管理方法やルールなども統一化をされていたほうがいいだろうということであります。
中野区の救急医療体制の向上を図り、安心して住み続けられるまちづくりを推進するという観点から、AEDが利用しやすいものとなるよう、管理や運用ルールの統一化を図っていきたいというふうに思っております。
それから、区のホームページなどでの設置施設マップですけれども、紙媒体での配布についても今後検討してまいります。
それから、24時間型の業務施設との連携で24時間使えるAEDの設置を検討してはどうかという御質問でありました。
民間施設などについては、設置そのものは区みずからの努力で設置をしていただくよう働きかけをしているところですが、そうした区有施設以外への設置、これを24時間、どう利用しやすい形で整備をしていくかといったようなことについて検討をしていきたいというふうに思います。
できるだけ多くの区民が緊急時にAEDを利用できるよう、AEDに関する普及啓発、それからご提案のあった消防署などの協力をいただいた地域での救命講習の実施などについても消防署などと協議をしながら進めてまいりたい、こう思っております。