平成27年 第2回 定例会 一般質問 ⓶

次に、高齢者を火災から守る対策について伺います。


 東京消防庁では、高齢者や身体の不自由な方がお住まいの住宅で火災が発生したときに、
自動的に東京消防庁へ通報される火災安全システム事業を実施しており、
中野区では65歳以上のみ世帯で防火的配慮が必要な方へ自己負担1万5,000円から1万6,000円程度で
NTT回線の固定電話がある家庭のみ設置ができるようになっております。
東京都火災予防条例の改正により、平成22年4月1日から全ての住宅に住宅用火災警報器の設置が義務化され、
これにより中野区では火災安全システムの申請件数が減少し、平成26年度には設置について見直しがなされました。
しかし、過去10年間、住宅火災による高齢者の死亡件数は横ばい状態にあり、
平成25年度は住宅火災による高齢者の死者の割合が68%で過去最悪の結果となりました。
さらに、ひとり暮らし及び出火時に1人でいた高齢者の死者の割合については年々増加傾向にあり、
平成25年度は78%になったという調査結果が出ています。
住宅火災による高齢者の死者の割合が高い理由としては、火災の発見のおくれ、避難のおくれが挙げられており、
東京消防庁も火災の自動通報は早期の消火、救出に役立つとしています。
今後、高齢化により認知症の方の割合もふえることを考えると、自動通報サービスについて対象の拡大も含めた新たな取り組みが必要ではないでしょうか。
特に木密地域を抱える中野区にあっては火災延焼等の二次被害を防ぐことも重要です。


 杉並区では、東京消防庁方式の火災安全システムとは別に、緊急通報システムのサービスメニューの拡大によって普及率を上げています。
杉並区の平成24年時点の火災安全システム設置数は43件でしたが、
翌年度から緊急通報システムのメニューに火災時の自動通報を加えることで加入者が急増し、
平成26年時点では設置数が1,440件となっています。
利用者の費用負担も以前の緊急通報システム料金と変わらないことが普及促進の要因ともなっています。
中野区も、現行の緊急通報システムのサービス内容に火災センターによる自動通報サービスを加え、
新たなサービスとして普及を促進してはいかがでしょうか。伺います。


 また、緊急通報システムでは、利用者から通報があった場合、もしくは生活リズムセンサーに反応がない場合に、
区が委託している民間警備会社から警備員が駆けつけるようになっています。
このときに警備員がAEDを携帯して利用者のもとに伺うようにすると、さらに救命効果が上がると思いますが、
区として検討してはいかがでしょうか。
伺って、この項の質問を終わります。

次に、南中野地域のまちづくりの項目から南中野地域の防災公園について伺います。


 都市計画に基づき、現在、弥生町六丁目公園基本計画(案)が策定されております。
公園整備のテーマには、「災害活動拠点となるオープンスペースの確保」、「四季の変化を楽しみながら憩い、安らぎ、健康を育む森」、
「自然とふれあい遊びながら子供たちの健康を育む空間」、「地域の活性化とにぎわいを創出する広場・施設」とあります。
地域の皆さんからは、どんな公園になるのだろうか、地域の方々が親しみやすい公園や特色ある公園になってほしいとのお声をいただいています。
また、防災機能を兼ね備えた安心・安全を供給する公園にとの声も強くあり、ぜひとも地域のための公園として計画を進めていただきたいと願います。
公園整備のテーマに、災害活動拠点となるオープンスペースの確保とありますが、
本公園を中野区として防災公園に位置付けるべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。


 弥生町六丁目公園や南部防災公園については、日ごろ地域住民が四季の変化を楽しみながら憩い、
安らげる場となるよう、春には桜が満開となるような公園、また四季ごとの観賞用の花の整備を進めていってはいかがでしょうか。伺います。


 弥生町六丁目の住民説明会の意見では、子どもや高齢者だけが利用する公園というだけではなく、
中間年齢層も利用できる公園にとのお声もあったとのことです。
その上で弥生町六丁目公園には、子どもたちの健康を育み、かつ大人もスポーツとして楽しめる公園、
今まで中野にはなかったような独創性あふれる大規模なアスレチック等を備えるなど、
近隣住民だけではなく幅広い地域の人が遊びに来るような、地域活性化にもつながる特色ある公園としてはいかがでしょうか。伺います。


 弥生町六丁目公園計画(案)には、今後、整備・運営・管理について民間活用の検討も行うとありますが、
民間活用によりどのようなことが期待できるのか、伺います。


 現在、中野駅周辺では、サンプラザ前や四季の森公園を利用した多くのイベントが開催されております。
これからできる大規模公園でも活発にイベントが行えるような公園管理を行っていただきたいと思います。
例えば、防災公園として災害時の状況を想定し、実際にテントを張って公園に宿泊し、かまどベンチで炊飯を行うなど、
避難後の訓練体験ができる災害訓練キャンプの実施を行うなど、民間の活用により多様なイベント事業も可能性が広がるのか、伺います。

 次に、弥生町六丁目での東京都住宅供給公社の跡地を活用した高齢者施設の計画について伺います。


 これは、やながわ前区議が地域の方のお声を聞く中で取り組んできた地域の課題です。
特に私の住む南中野地域で不足していた特別養護老人ホームや江古田の森に次ぐ介護老人保健施設、
通所リハビリテーションなどは高齢化の進む中野にとっても必要な施設であると考えます。


 平成27年第1回定例会の厚生委員会で、旧広町住宅の活用について口頭での報告がありました。
それによれば、「特別養護老人ホーム及び短期入所生活介護が80人程度、介護老人保健施設が60人程度、
通所リハビリテーション、この三つが必須事業。
そのほか、運営事業者の提案による居宅サービス等も可ということで、定期巡回随時対応型訪問介護・看護等が例示され、
貸付期間50年の定期借地権の設定で公募がされております」とのことです。
この公募に至る経緯と現状についてお答えください。


 先日、日本創生会議が、今後、東京圏は急速に高齢化し、後期高齢者は10年で175万人増という報告を行いました。
また、団塊の世代が大量に高齢化する2020年には高齢化率は26%を超える予測もあります。
これから地域包括ケアシステムを構築するに当たって、機能訓練の必要な方や要介護者に対して、
南部広町住宅跡地の介護施設やリハビリテーション施設などを含め、
介護老人保健施設がある介護複合施設は地域の拠点ともなるので連携構築をすべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。


 また、こうした施設を単に介護施設として運営するのではなく、
入居者と地域住民が交流できる地域の憩いの場となるように区としても支援してはいかがでしょうか。
お伺いし、この項の質問を終わります。


 次に、中野区の子どもの読書推進について伺います。


 中野区には、中央図書館と地域の図書館合わせて97万冊以上の図書が所蔵されています。
利用者数も年間で延べ60万人ほどになります。
平成25年4月には指定管理者による業務が開始され、図書館サービスの向上や運営業務の効率化が行われてきました。
こうした区の施策、指定管理者による努力もあり、読書の環境はよくなってきていると思いますが、
さらに図書館利用者をふやすための工夫が必要ではないでしょうか。
今、幾つかの自治体でも読書率向上に向けた施策が行われています。
例えば、埼玉県の鴻巣市では、読書通帳という、借りた本の履歴が残る通帳を図書館で導入したところ、
この通帳をきっかけに児童の本を借りる割合がふえ、さらには大人や御年配の利用者もふえ、結果として、全体の来館者数がふえたとのことです。
また、子どもたちが楽しんで読書をする習慣を身につけることで学習能力の底上げにもつながると思います。
区としても、さらに子どもに読書の習慣が自然とつくように読書通帳の導入を検討してはいかがでしょうか。伺います。


 中央図書館や地域図書館では、おはなしかい、工作、企画展示など、小さいお子さんが楽しめる企画も開催されており、
子ども向けのイベントは充実した内容になっていると感じました。
ここで別の角度へ視点を向けると、子どもたちにとって魅力的な図書館である一方で、小さいお子さんを連れたお母さんや保護者の方が御自分の本を探したい場合に、
他の利用者の方もいるため、お子さん連れのままでは大人向けの本のエリアにはなかなか歩きづらいとの声もあります。
例えば、1週間のうちのどこかの曜日、どこかの時間帯は、図書館全館で小さいお子さんをお連れのお母さん、お父さんがさらに図書館を使いやすく利用できるよう、
赤ちゃん連れオーケータイムという時間帯をつくってはいかがでしょうか。
この時間帯には、例えば、館内に周知するとともに、BGMを流して、赤ちゃんや小さいお子さんを連れていても
気にせず図書館を利用できるよう工夫をしてはいかがでしょうか。伺います。